入試問題の講評をいたします。
まずは、全体の講評ですが、昨年並みだと予想します。やや易化という塾や報道もありますが、私自身は昨年並みだと思っています。特に、数学や国語が案外取れておらず、記述部分が生徒自身としては正解として自己採点しているものの、実際は減点が多いのではないかと思います。
【国語】昨年並み
・昨年並みと予想されます。小説文が出ずに、2年連続で「芸術」がテーマの論説文が出題されました。資料活用や自分の考えを根拠とともに書く、思考力重視の記述が目立ち、数学(統計)の力が必要になります。
・例年の出題傾向通り、資料や議論から読み解く、作文に近い記述問題が多く、典型的な国語力ではなく、自分なりの考えを根拠を持って文章を表現する文章作成能力が求めらました。
【数学】やや難化
・やや難化と予想されます。まず文章・資料量が多すぎます。こちらは数学力だけでなく国語力が求められる問題です。問題集ではあまり見られない自転車の二次関数の問題や、ホットケーキの問題、ひっかけ(不良品・直径)など、公立高校入試としては素直な問題構成ではなく、ひねりすぎな問題が多かったと思います。個人的には、ひっかけ問題は不要だと思います。
・短い時間の中で、あまり見たことがない内容を多数出して解かせることが、公立高校の入試として適切なのか。あえて自転車やホットケーキの内容にして日常生活での数学を出してきていますが、これは練りすぎで大問1問に留めるくらいが適切だと思います。問題自体はよく考えられていることは認めますが、練り過ぎた問題が多すぎると思います。
・公立高校の入試問題として適正な問題水準なのか甚だ疑問です。素直に数学の勉強をしてきた生徒が実力通りにできる基礎・標準問題を出すべきです。幅広い成績の子が総じて受験する公立高校の入試で、練り過ぎた問題を多数出す意味があるのでしょうか。北海道の生徒の数学力は他県に比べて極めて低く、こんなに練った問題を出し続ければ数学離れが進み、北海道の生徒の数学力の地盤沈下は進む一方です。オーソドックスの問題を出す学力テストABCの方が適正かつ数学の実力が測れる試験内容だと個人的には思います。
【英語】昨年並み
・昨年並みと予想されます。例年通りの出題形式であり、問題の難しさも昨年と同程度です。いずれも基礎的な単語・文法知識で解けるものが多かったです。
・今年度は、特に英作文の出来次第で点数の開きが出ると思います。リスニングの「お気に入りの映画について教えてほしい」、英作文の「タイムマシンでどこに行きたいか」、「そこで何をしたいかを2つ以上」を正確に書けたのかがポイントです。
・数学と異なり、北海道の英語はオーソドックスで素晴らしい内容だと思います。しかしながら、北海道の英語力は、全国的に高くはなく、入試問題のレベルも平易です。このレベルで躊躇していると、大学入試では全く歯が立ちません。難関大学を目指す方は、公立高校の入試問題で高得点が取れたことで満足するのではなく、もっともっと高いレベルを求めていきましょう。ちなみに大阪の公立高校トップの北野高校や天王寺高校入学者(中3の3月時点)の英検2級取得率は90%を超えています。英検2級を取得していない方は、全国的には既にビハインドがあると思って取り組んでください。
【社会】やや易化
・地理、歴史、公民もバランスよく出題されて配点されており、記述を含めて暗記をベースとした基本的な典型的な問題が中心でした。完全解答が多く、正確な知識定着が求められる問題が多かったです。確実に出る北方領土に関する問題は今年は2つあり簡単でした。北海道の公立高校入試の社会の問題は、良問ぞろいで素晴らしいと思います。
【理科】昨年並み
・昨年並みと予測しますが、昨年も理科の平均点は極めて低く、今年も低いと思われます。物理、化学、生物、地学の各領域でバランスよく出題されて幅広い知識が問われ、典型的な問題が多かったですが、嫌いな分野・苦手分野の典型である光と天体が出たため点数は上がらないと思われます。
・物理は、光の性質について久々に出題されました。内容は基本的な反射・屈折・全反射の理解を問う問題であり難しくありませんでしたが、案外取りこぼした生徒も多いかと思います。光の性質は、過去10年で2回しか出題されていませんが、2回とも正答率は低いです。
・生物は、消化と吸収について出題されました。内容は基本的なものであり典型的な問題でしたので、確実に点を稼いでいたいところです。
・地学は、太陽の黒点について出題されました。太陽の黒点の移動記録の読み取りなど計算力が求められる内容で難しく感じた生徒も多かったのではないでしょうか。
・化学は、酸化銅の還元について出題されました。内容は基本的なものであり典型的な問題でしたので、確実に点を稼いでいたいところです。
ボーダー予想
全体的に昨年と同レベルと予想しています。札幌市内の主な高校のボーダー(合格最低点)の予想は以下の通りです。
・札幌南→ランク関係なしで400点
・札幌北→Aランクで380点・Bランク390点
・札幌西→ランク関係なしで380点
・札幌東→Aランクで360点・Bランクで370点
・旭丘(普)→Aランクで340点・Bランクで360点
・国際情報(普)→Aランクで340点 Bランクで360点
・月寒→Bランクで320点
・新川→Bランクで300点
・啓成(普)→Cランクで300点
・藻岩→Cランクで280点
・手稲→Cランクで270点
・北陵→Cランクで270点
・清田(普)→Cランクで270点
・平岸(普)→Dランクで260点
北海道公立高入試の出題傾向分析
