【札幌】2026年高校受験の傾向・予測

2026年度、北海道の高校受験は大きな転換点を迎えます。政府が進める「高校授業料の実質無償化(年45.7万=月3.8万円を支援)」の対象拡大により、これまで「学費の高さ」で敬遠されがちだった私立高校が注目されています。

特に、札幌圏内では大学附属高校や指定校推薦の制度が充実した私立高校への関心が高まっています。これまで「公立が第一志望、私立は併願・すべり止め」という構図が定着していた北海道の高校入試ですが、2026年はそのバランスが大きく動く転換点になるでしょう。

この記事では、高校無償化がもたらす影響と、偏差値層ごとの受験傾向の変化を詳しく見ていきます。

トップ層(SS65以上)は「公立」がゆるぎない

札幌南、札幌北、札幌西などの超難関公立高校を目指すトップ層にとっては、私立高校無償化の影響は極めて限定的です。

これらの高校は、北海道大など難関国公立大学への進学実績が非常に高く、トップ層は学費だけで学校を選ぶのではなく、将来の進路に合った教育環境を重視するからです。具体的には、「進学実績」、「周囲の学習レベル」、「指導環境」を重視しています。

この層は、私立高校はあくまでも併願・すべり止めになりますが、これらの超難関公立高校の志望者でも4人に1人、または3人に1人は公立高校不合格となります。私立高校無償化の影響というよりは、前年度が低倍率であった札幌北高校は増加するでしょう。これまでの学コンでも志望者数は増加しています。人気高の札幌西高校は横ばいと思われますが倍率は1.4倍前後であり、3人に1人は落ちることになり厳しい状況は変わらないと思われます。

【私立高校併願先】 
 A日程:光星高校のステラ、日大プレミアS
 B日程:立命館慶祥のSP、第一高校の東大・医進Excellence(第一エクセレンス)

上位層(SS60前後)は「私立専願」やや増加へ

札幌東、旭丘(推薦、普通、数理DS)、国際情報(普通・国際)、啓成(理数)、月寒などの難関公立高校を目指す上位層にとっては、私立高校無償化の影響はあるでしょう。とはいえ、上位層全体としては依然として「公立第一志望+私立併願」という形が主流です。

■私立高校専願者がやや増加へ
 立命館慶祥(普通)、第一(リベラルアーツ)、北海(Sクラス)の専願が増えるでしょう。

【立命館慶祥高】
立命館大学への内部進学制度に加え、英語教育の充実や海外交流などが高く評価されています。この偏差値で立命館大学の内定が貰えるのは全国的に見てもお得です。全国的にこれに気づいているのか、海外、本州、北海道の札幌圏外から受験する生徒が年々増加しており、現状でも札幌圏内の生徒よりも多いようですが、今後はさらに人気がでることは確実でしょう。
現役で立命館大学以上の大学に進学できるのは札幌東、札幌旭丘、国際情報高校でも、半分の生徒は立命館以下のランクの大学に進学または浪人することになります。立命館大学の内部推薦だけでもお得であるのに、立命館慶祥高校は国公立大学を受験して落ちても、原則、立命館大学への内部進学もできます。「難関国立大学(北大など)への挑戦」と「安定した有名私立大学(立命館大学)進学」の両立を求めることができることは極めて魅力的です。

【第一高校】
前理事長によるパワハラの影響か先生の退職が大幅に増加しているとの報道等もあり、新理事長に北嶺高校の校長が就任しました。新理事長になり、すぐに変革を開始しておりコース名も変更されました。生徒へのアンケートをもとに、これまでの勉強一本の雰囲気から、勉強以外も充実させていく雰囲気に変わろうとしています。私立高校無償化の影響も伴い、説明会も参加者が増加しているようです。現場の先生も雰囲気ががらりと変わり働きやすくなったとおっしゃられていました。

文理選抜コース→「東大・医進 Excellence コース」(東京大学などの最難関大学や国公立大学医学部医学科を目指す)
文理北進コース→「Liberal arts コース」(北海道大学など難関国公立を目指す)
総合進学コース→「Ambitious コース」(国公立大学・難関私立大学など幅広い進路を目指す)

【北海高校】
Sクラスは、北大などの難関国公立大学への進学をめざすクラスです。北海高校には、道内私立大学トップの北海学園大学へ約100名の推薦枠があるだけでなく、姉妹校の北海商科大など全国に約125校の指定校推薦枠があり大学推薦枠が豊富なのが魅力です。

中堅上位層(SS50以上)は「私立専願」が増加

北広島、新川、国際情報(理工・GB)、手稲、藻岩、啓成、清田、北陵、平岸などの中堅公立高校を目指す層にとっては、私立高校無償化の影響は大きいと思われます。とはいえ、中堅層全体としては依然として「公立第一志望+私立併願」という形が主流です。

今回の無償化によって、最も大きな変化が起こっているのが中堅層です。かつては「公立を目指し、落ちたら私立へ」というのが一般的な流れでしたが、最近では「最初から私立を第一志望にする」受験生が確実に増えています。

その理由は明確です。大学附属高校や進学型私立高校の“大学進学のしやすさ(内部推薦・指定校推薦)”が注目されているのです。

これらの学校は「大学進学を見据えた安心感」が大きな魅力。高校入学段階で大学の道筋がある程度見えるため、「大学受験のストレスが少ないため、高校生活が充実しやすい」との声も多く聞かれます。

また、私立高校ならではの少人数指導、探究学習、海外研修など、教育の多様性にも価値を感じる家庭も増えています。結果として、“公立よりも将来に直結する私立”という選択が確実に広がっています。

以前は「学費が高い」「進学実績が不安」という理由で私立を敬遠する傾向があったこの層でも、状況は大きく変わりました。私立高校無償化によって経済的な負担が軽減されたことで、私立高校の温かいサポート体制や特色教育が着目されています。

特に人気を集めているのが、大学の附属高とキリスト教系の伝統校の特進コースです。これらの学校は、「生徒一人ひとりを丁寧に育てる校風」や「指定校推薦の充実」で知られています。キリスト教の高校は全国のキリスト教の有名大学とのつながりが強く、キリスト教推薦枠が豊富にあるため、一般受験に頼らずに進学できる可能性が広がっているからです。

北海高校】 … 北海学園大学への内部進学枠

北星学園高校】… 北星大学への内部進学枠

中堅層(SS45〜50)では「私立専願」が増加

中堅層(SS45〜50)でも、高校生活を安心してすごせる私立を第一志望に選ぶ動きが出ています。

やはり「大学進学を見据えた安心感」が大きな魅力です。高校入学段階で大学の道筋がある程度見えるため、「大学受験のストレスが少ないため、高校生活が充実しやすい」からです。

また、ボランティア活動や探究型授業、英語教育など、学力以外の力を育てるカリキュラムも人気の理由です。「学び直しがしやすい」「先生との距離が近い」「学校生活が充実している」こうした点が評価されています。

  • 札幌日大高… 日本大学への内部進学
  • 札幌東海高… 東海大学への内部進学
  • 北海道科学大学附属高… 北海道科学大学への内部進学
  • 藤女子高校 … 藤女子大学への内部進学+安定した女子教育
  • 北海学園札幌高校 … 北海学園大学への内部進学+指定校推薦の充実
  • 北星女子高校… 北星大学への内部進学+安定した女子教育、キリスト教大学への推薦
    https://www.hokusei-ghs-jh.ed.jp/designated_school/
  • とわの森三愛高校… 酪農大学への内部進学、キリスト教大学への推薦