【道コン】北海道学力コンクールは必要?不要?

北海道内の中学生にとって、避けて通れない存在ともいえる「北海道学力コンクール(通称:道コン)」。進学塾を中心に広く実施されているこの模試は、毎年数万人規模での受験が行われ、特に中学3年生にとっては「受験のバロメーター」として重要視されています。

しかし一方で、「本当に必要なの?」「学校の成績で十分なのでは?」「精神的に負担が大きい」という声もあります。では、道コンは本当に必要なのでしょうか? 

この記事では、その必要性を肯定・否定の両面から考察しながら、どのように活用すべきかを探っていきます。

北海道学力コンクールとは何か

まずは簡単におさらいしましょう。北海道学力コンクールは、北海道内の小学5年生~中学3年生を対象にした模擬試験で、年に数回実施されます。特に中3向けのテストは、公立高校入試の形式や出題傾向を反映した内容となっており、「受験本番を想定した練習の場」として多くの受験生に活用されています。

模試の成績表では、以下のような情報が得られます。

  • 各教科の得点と偏差値
  • 志望校ごとの合格判定(A~E評価)
  • 自分の得点が道内のどの位置にあるか(順位・平均点)
  • 得意・不得意分野の分析

これらをもとに、生徒は「今の自分の立ち位置」を知り、学習計画や志望校の見直しを行うことができます。

道コンは本当に必要か? ― 結論は「使い方次第」

結局のところ、北海道学力コンクールが「必要かどうか」は、その人の状況や模試の使い方次第です。

✅ 必要なケース

  • 志望校の合格可能性を客観的に知りたい
  • 入試に向けて実力を確かめたい
  • 試験本番の雰囲気を経験しておきたい

こうした場合、道コンは非常に有効なツールになります。適切なタイミングで模試を受け、結果をもとに学習を修正していくサイクルは、合格への近道です。

とりわけ、中学3年生の夏(8月)、冬(1月)は道コンの受験者数が多く、最低限必要と思います。
夏(8月)、冬(1月)は、練成会などの大手塾の夏期講習を受けると、道コンのテストがセットで受けさせられることになるためです。石狩管内の中学生は1学年18,000人いますが、夏(8月)、冬(1月)は、なんと約5割、ずばり2人に1人が受けています。

また、夏(8月)、冬(1月)は、大手塾の学力層の高いメンバーも受験するため、トップ校を目指す生徒にとっては必ず受験していた方が賢明です。ただし、8月は中1、中2の範囲が殆どですので、8月の結果が悪くても諦める必要はないかと思います。公立高校入試は中3の範囲が最低でも1/ 3。科目によっては4割から5割近くが中3の範囲から出題されます。

さらに、英語・数学などは、中3の後半が頻出かつ点数差が開きやすいテーマですので、道コンの夏の結果は、あくまでも中1、中2の範囲の立ち位置であり、良くても悪くても、あくまでも参考として捉えてください。逆転可能です!

一方で、冬の1月のテストは、やはり私立・公立校入試に直結します。ですが、悪くても逆転している生徒はたくさんいます。残り2ヶ月で猛勉強&集中して範囲を絞って勉強して、入試問題で得意な問題が出て大逆転も可能です。諦めずに、一歩一歩がんばっていきましょう!

石狩管内
道コン
受験者数
石狩管内
道コン
受験率
北海道内
道コン
受験者数
北海道内
道コン
受験率
1回4月6,50036%10,00026%
2回8月8,50047%13,00034%
3回10月3,00017%4,00011%
4回11月5,00028%7,30019%
5回1月8,50047%1,300034%

❌ 不要なケース

  • 基礎が固まっていない
  • 志望校が明確でない
  • 精神的に不安定で、結果に過剰に反応してしまう

こうしたケースでは、基礎固めや内申対策を優先したほうが良いかもしれません。

模試は約4,000円します。決して安い金額ではありません。
模試を受けなければ、豪華な外食1回できます。

模試は無理に受けるものではなく、「必要になったときに受ければいい」というスタンスも選択肢です。特に、夏(8月)、冬(1月)以外は受験者数が少ないので、受けないという選択肢もありだと思います。


道コンを「意味のある模試」にするために

では、模試を受けると決めた場合、どのように活用すれば最大限の効果を得られるのでしょうか?

受けっぱなしにしない!

最も大切なのは、模試を「受けたあと」の行動です。

成績表をしっかり分析し、間違えた原因を明らかにし、弱点を一つひとつ克服する。このプロセスを繰り返すことで、模試は“点数の通知”から“成長の地図”に変わります。

間違えた問題の中で、正答率が高い問題を中心に復習していきましょう!

1回の模試の点数に一喜一憂する必要はありません。

むしろ、複数回受けることで「どの科目が伸びたか」「どこが安定しているか」など、学力の推移を客観的に見られるようになります。

模試の結果を保護者や塾の先生と共有し、一緒に分析することで、より具体的な学習方針を立てることができます。独りで悩まず、周囲のサポートを受けることも、模試活用の重要なポイントです。

たしかに、北海道学力コンクールは、高校受験を控えた生徒にとって非常に有用なツールです。

しかし、道コンを受けることで、偏差値(SS)の上下で一喜一憂やプレッシャーになったりすれば、本末転倒です。道コンを受けることで逆効果になることもあります。

模試は「自分を評価するもの」ではなく、「自分を成長させるもの」です。

必要かどうかは、本人の目的と状況、そして模試をどのように活かすかで決まります。模試を通して、今の自分の立ち位置を知り、未来を描く。

そんな前向きな視点で、北海道学力コンクールを活用できることが、学力向上と受験成功への第一歩になるのではないでしょうか。