「大学受験は一般選抜だけ。」そんな時代は、すでに大きく変わりつつあります。
現在、多くの大学では総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜の募集枠を拡大しており、学力試験だけでは測れない力を評価する入試が広がっています。
その中で重要な役割を果たすのが、高校での探究活動です。しかし、探究活動を頑張っただけで合格できるわけではありません。活動を大学が評価する形へと整理し、自分の言葉で伝える力が求められます。そのため、多くの受験生が専門的な対策を必要としています。
北海道大学や小樽商科大学でも総合型選抜は重要な入試方式
「総合型選抜は私立大学の入試」というイメージを持つ方もいるかもしれません。道外の国立大学では急速に総合他選抜の入試が増加しています。東北大や筑波大学では約3割にも達し、東京大学でも新しい学部カレッジオブデザイン(定員100名)は全員総合型選抜での入試となっています。
一方で、北海道内の国公立大学は遅れており、約1割なのが現状ですがこの数年で急速に増加していくと思われ、総合型選抜はより重要な入試制度となります。
北海道大学「フロンティア入試」
北海道大学では、「フロンティア入試」と呼ばれる総合型選抜を実施しています。
この入試では、単に学力だけを評価するのではなく、
- 高校で主体的に取り組んできた学び
- 探究活動や課題研究
- 将来への明確な目標
- 北海道大学で学びたい理由
- 面接やプレゼンテーションでの表現力
などを総合的に評価します。
高校生活でどのような課題意識を持ち、どのように行動してきたのか。そして、その経験を大学での学びへどのようにつなげていくのかが重要になります。
そのため、探究活動の内容を深く振り返り、自分の言葉で説明できる準備が欠かせません。
フロンティア入試で北大が見ているのは「高校生活の質」です。北海道大学のフロンティア入試は、「勉強ができる生徒」を選ぶだけの入試ではありません。
北海道大学は、提出書類、課題論文、適性試験、面接などを通じて、受験生の学力に加え、多様な個性・能力・資質・適性、目的意識や学ぶ意欲を総合的に評価することを明確にしています。
そのため、次のような経験は大きな強みになります。
- 総合的な探究の時間での課題研究
- 科学コンテストなどの参加
- 地域課題の解決に向けた探究活動
- ボランティアや課外活動
- 英語資格やプレゼンテーション経験
重要なのは、「何をしたか」ではなく、「なぜそのテーマに取り組み、何を学び、その学びを北海道大学でどのような研究につなげたいのか」を自分の言葉で語れることです。
この点こそが、総合型選抜対策が必要な最大の理由といえるでしょう。探究活動の経験を志望理由書や面接で説得力あるストーリーとして伝えられるかどうかが、合否を左右する重要なポイントになります。
① 理学部
TypeⅠ
- 地球惑星科学科
地球科学や宇宙・惑星科学への強い探究心を持つ生徒を対象としています。高校での課題研究や科学コンテスト、地学・物理・化学分野の探究活動との親和性が高い学科です。
TypeⅡ
- 数学科
- 物理学科
- 化学科
- 生物科学科(高分子機能学専修分野)
TypeⅡでは、数学や理科の高い学力に加え、論理的思考力や研究への意欲が重視されます。適性試験や面接を通して、「研究者としての素養」が評価されるのが特徴です。
② 医学部
TypeⅠ
- 医学科
- 保健学科
- 看護学専攻
- 放射線技術科学専攻
- 検査技術科学専攻
- 理学療法学専攻
- 作業療法学専攻
医学や医療への明確な志望理由に加え、高校生活で主体的に学んだ経験や、医療人として社会に貢献したいという意欲が評価されます。
③ 歯学部
TypeⅠ
歯科医療への関心だけでなく、生命科学への興味やコミュニケーション能力、主体性なども重視されます。
④ 工学部
TypeⅠ
- 応用理工系学科(応用マテリアル工学コース)
- 環境社会工学科(社会基盤学コース)
TypeⅡ
- 応用理工系学科(応用物理工学コース)
- 機械知能工学科
- 環境社会工学科(環境工学コース)
工学部では、「ものづくり」や社会課題の解決に対する興味、探究活動や研究活動への主体性が評価されます。探究活動でプログラミングやロボット製作、環境問題、地域インフラ、防災などをテーマにした生徒との相性が良い分野です。
⑤ 獣医学部
TypeⅠ(令和9〈2027〉年度入試から新設)
獣医学部では、新たにフロンティア入試が導入されました。動物科学や生命科学への強い関心に加え、将来獣医師として社会に貢献したいという目的意識が求められます。
⑥ 水産学部
TypeⅠ
北海道大学水産学部では、水産資源、海洋環境、食品、生命科学など幅広い分野への関心を持つ生徒を対象としています。フィールドワークや地域課題をテーマとした探究活動も評価につながりやすい分野です。
小樽商科大学の総合型選抜
小樽商科大学でも総合型選抜が実施されており、商学や経済学への興味・関心だけでなく、自ら考え行動する姿勢が重視されています。
出願書類では志望理由やこれまでの活動を整理して伝える力が求められ、選考では面接などを通じて、自分の考えを論理的に説明できるかが評価されます。
例えば、
- 地域活性化をテーマにした探究活動
- 地元企業へのインタビュー
- 商店街でのフィールドワーク
- データ分析やアンケート調査
といった経験は、商学を学びたい理由と結び付けることで説得力のある志望理由になります。
「探究活動」と「大学での学び」を結び付けることが合格への鍵
北海道大学でも小樽商科大学でも共通しているのは、「高校時代に何をしたか」だけではなく、「その経験を大学でどのような学びへ発展させたいのか」を重視している点です。
つまり、探究活動を単なる実績として終わらせるのではなく、
- 何を課題として設定したのか
- なぜその課題に興味を持ったのか
- どのように調査・分析したのか
- そこから何を学んだのか
- 大学ではさらに何を研究したいのか
という一連のストーリーを組み立てることが重要です。
このストーリーづくりは、一人で考えるのが難しい部分でもあります。だからこそ、総合型選抜では個別指導によるサポートが大きな力を発揮します。探究活動や高校生活での経験を整理し、志望理由書や面接で説得力を持って伝えられるよう準備することが、合格への近道になるのです。
なぜ総合型選抜には対策が必要なのか
「総合型選抜は人物重視だから、特別な勉強は必要ない。」
このように考えている高校生や保護者の方は少なくありません。
しかし実際には、総合型選抜は一般選抜とは異なる難しさがあります。
一般選抜であれば、出題範囲が決まっており、過去問を分析しながら学力を伸ばしていくことができます。一方で、総合型選抜では評価される内容が大学ごと・学部ごとに大きく異なります。
提出書類の形式、面接の方法、小論文のテーマ、プレゼンテーションの有無などは大学によってさまざまで、「この勉強をすれば十分」という共通の正解がありません。
だからこそ、自分が受験する大学に合わせた対策が欠かせないのです。
評価されるのは「経験」ではなく「経験をどう語るか」
総合型選抜では、
「生徒会長をしました。」
「ボランティア活動をしました。」
「探究活動を頑張りました。」
という事実だけでは高い評価にはつながりません。
大学が知りたいのは、その経験から何を学び、どのような考え方を身につけ、その学びを大学でどう発展させたいのかという点です。
例えば同じ探究活動でも、
「地域の観光について調べました。」
で終わる生徒と、
「地域の観光客減少という課題に着目し、アンケート調査やインタビューを通して原因を分析しました。その経験から地域政策を学びたいと考えています。」
と話せる生徒では、大学側に伝わる印象は大きく変わります。
対策とは、自分の経験を「大学が評価する形」に整理する作業でもあるのです。
志望理由書には「大学で学びたい理由」が求められる
総合型選抜で最も重要な書類の一つが志望理由書です。
ところが、多くの受験生は
「貴学は歴史があり魅力を感じました。」
「オープンキャンパスに参加して雰囲気が良かったです。」
という内容になりがちです。
しかし大学が求めているのは、その大学でなければならない理由です。
大学の教育内容や研究室、学びの特色を理解した上で、自分の探究活動や将来の目標と結び付けて説明できるかどうかが重要になります。
そのためには大学研究も必要であり、一人で進めるには難しい部分も少なくありません。
面接は「質問に答える」ではなく「対話する」試験
面接では、志望理由書に書かれた内容をさらに深く質問されます。
「なぜそう考えたのですか。」
「そのデータの根拠は何ですか。」
「別の視点から見るとどう考えますか。」
こうした質問を通して、大学は思考力や表現力、主体性を見ています。
つまり、暗記した答えを話すだけでは十分ではありません。
自分の考えを整理し、その場で相手と対話する力が必要になります。
そのため、本番を想定した面接練習を繰り返すことが合格への大きなポイントになります。
探究活動が総合型選抜で高く評価される理由
高校で行われる「総合的な探究の時間」は、課題を見つけ、調査・分析し、自分なりの結論を導き出す学習です。
大学が総合型選抜で評価する主体性や課題解決力、思考力と非常に親和性が高く、探究活動は大きなアピール材料になります。
ただし、探究活動そのものではなく、「どのように考え、何を学び、今後の学びにつなげたいのか」が評価されることを忘れてはいけません。
札幌市で総合型選抜対策に個別指導が選ばれる理由
総合型選抜には、一人として同じ受験はありません。
志望大学も違えば、探究テーマも活動内容も将来の夢も異なります。
そのため、画一的な授業よりも、一人ひとりに合わせて指導内容を組み立てられる個別指導との相性が非常に良い入試です。
個別指導では、
・探究活動の整理
・志望理由書の添削
・自己PRのブラッシュアップ
・小論文対策
・模擬面接
・大学研究
まで、一人ひとりの状況に合わせてサポートすることができます。
札幌市でも総合型選抜・学校推薦型選抜を利用する受験生は増えており、「何を準備すればよいかわからない」という相談も多く寄せられています。
早い段階から計画的に準備を進めることが、合格への近道です。
高校1年生・2年生から準備を始めることが大きな差になる
総合型選抜は、高校3年生になってから始まる受験ではありません。
高校生活そのものが評価される入試だからです。
探究活動、部活動、資格取得、ボランティア、課外活動など、一つひとつの経験が将来の志望理由や自己PRにつながります。
早くから目標を持って行動した生徒ほど、自分だけの強みを持ち、自信を持って受験に臨むことができます。
なお、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)で取り組んだ課題研究や探究活動は、総合型選抜で高く評価される『素材』になる可能性があります。SSHで行った研究を「どのような課題意識から始め、どのような方法で検証し、大学でさらに何を学びたいのか」というストーリーにまとめられる受験生は、志望理由書や面接で強みを発揮できます。
【札幌市内のSSH指定校】
① 北海道札幌啓成高等学校(厚別区)
- 北海道を代表するSSH指定校の一つ
- 理数系探究や国際共同研究に力を入れている
- 「啓成学術祭」や海外連携など、研究発表の機会も豊富です。
② 市立札幌旭丘高等学校(中央区)
- 2023~2027年度SSH指定校
- 数理データサイエンス科を設置
- 探究活動や大学・研究機関との連携が充実しており、全国SSH生徒研究発表会でも高い評価を受けています。
- 総合型選抜での実績も豊富
③ 市立札幌開成中等教育学校
- SSH指定校
- 6年間を通した探究学習(Inquiry)を教育の柱としている
- 国際バカロレア(IB)の教育理念も取り入れ、課題研究やプレゼンテーションを重視している
- 総合型選抜では北海道でNo.1の実績。北大の総合型選抜の入学者も道内No.1。
④ 札幌日本大学高等学校(北広島市)
- SSH指定校
- 北海道大学をはじめとする大学との連携研究
- フィリピンとの高校との共同研究など海外研究も
- 医学・工学・生命科学など幅広い探究活動を実施しています。
⑤ 立命館慶祥高等学校(江別市)
- SSH指定校
- 国際重点枠指定校
- 海外との共同研究が豊富
- タイ、シンガポール、台湾、中国、韓国、モンゴル、トルコなど
- 英語による海外での研究発表など相互交流も盛ん
総合型選抜を目指すなら、経験を「伝わる力」に変えるサポートを
総合型選抜は、「勉強が得意な人だけ」の入試でも、「特別な実績がある人だけ」の入試でもありません。
日々の学びや探究活動を通して培った経験を、自分の言葉で大学に伝えられるかどうかが合否を左右します。
だからこそ、早い段階から自分の経験を整理し、志望理由や自己PRへとつなげる準備が重要です。
札幌市で総合型選抜・推薦入試を目指すなら、一人ひとりの個性や目標に合わせた個別指導を活用しながら、自分だけの強みを最大限に引き出していきましょう。総合型選抜は、あなたの高校生活そのものを未来につなげることができる入試です。その価値を正しく伝える準備が、第一志望合格への確かな一歩になります。
