北海道から東京の大学に進学するというと、「東京なんて家賃が高すぎるのでは?」「本当に行く人いるの?」と驚かれることが少なくありません。しかし実際には、北海道のトップ校を中心に、早慶・上智・理科大・MARCHといった難関私大への進学は、昔から確固たる進学ルートとして定着しています。
たとえば札幌南高・札幌北高・札幌西高などでは、毎年相当数の生徒が早慶・上智・理科大・MARCHに合格・進学しております。
とはいえ、近年は家賃の上昇や受験方式の変化により、道民にとっての“東京進学”の意味合いは少しずつ変わってきています。本記事では、早稲田・慶應・上智・東京理科大・MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)といった難関私大に焦点を当て、北海道から東京へ進学するメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
「私大最上位の強さ」
北海道の受験では北大が最大の存在ですが、私立大学は東京にはたくさんの難関私立大学があります。難易度は、学部によって若干異なりますが、
早稲田・慶應 > 上智 ≒東京理科大 ≧ 明治>青山学院≒ 立教 >中央>法政
が一般的です(色々な意見があります)。
慶應の経済・法、早稲田の政経・法は、北大とはまた違った“ブランド・専門性・進路の広さ”を持ち、人気は非常に高く、北海道から第一志望として専願で受ける生徒も少なくないです。
□早稲田・慶應 看板学部の専願
□東大・一橋・科学大の併願先としては、早稲田・慶應の看板学部+理工学部
□北大の併願先としては、早稲田・慶應の看板学部以外、札幌で受験できる明治大学、中央大学、東京理科大学、関関同立などです。
慶應義塾大学(慶應)合格者数
| 順位 | 高校 | 2024年 | 2025年 |
| 1 | 札幌南 | 14人 | 10人 |
| 2 | ★北嶺 | 9人 | 9人 |
| 3 | ★立命館慶祥 | 4人 | 9人 |
| 4 | 札幌旭丘 | 2人 | 6人 |
| 5 | 札幌東 | 2人 | 6人 |
- 日本屈指の実学系最強大学
- 経済・法の強さは圧倒的
- 医学部は東大理三並みの最難関
- ビジネス・金融・ITに強い学生が多い
- 都市型キャンパスで洗練された雰囲気
- 人脈が圧倒的で「就職の慶應」は揺るがない
早稲田大学(早大)合格者数
| 順位 | 高校 | 2024年 | 2025年 |
| 1 | 札幌西 | 9人 | 20人 |
| 2 | 札幌南 | 18人 | 18人 |
| 3 | ★北嶺 | 17人 | 18人 |
| 4 | ★立命館慶祥 | 8人 | 14人 |
| 5 | 函館中部 | 5人 | 8人 |
- 自由で闊達な校風
- 文系最強クラス(特に政経・法)
- 理工も近年レベルが上昇
- 国際系の学生が多く都会的
- OB・OGが圧倒的に強い(金融・商社・マスコミ)
- 入試難度は北大より上の学部が多い(政経は東大レベル)
上智大学(上智)
- 国際系・語学系で日本トップ
- 文系が強く、外資・国際機関への進路も豊富
- キャンパスは都心の四ツ谷でアクセス抜群
- 札幌で受験できないため北海道では知名度がやや低い
- 北海道からはキリスト教系の高校からの指定校推薦が多い
東京理科大学(理科大)
- 日本屈指の理系私大で国立大学との併願率高い
- 就職が非常に強く、企業からの信頼度が高い
- 真面目な学生が多い
- 札幌で受験できるため人気上昇中
- 経営(国際経営)は1年次は長万部で寮生活
明治大学(明大)
- MARCHでは圧倒的トップ
- 体育会・学生の活気が凄い
- 政治経済・商・情報系が人気
- 札幌で受験できるため北海道の進学者も多い
- 北大の併願先とするものが多い
青山学院大学(青学)
- 洗練された都会的な雰囲気
- 文系のブランド力が強い
- 青学=おしゃれ大学というイメージ
立教大学(立教)
- 落ち着いた雰囲気
- 文系の質が高く、特に観光・社会学の評価が高い
- 池袋キャンパス(都心おしゃれ)
中央大学(中央)
- 法学部のみMARCHで最上位
キャンパスが多摩から文京区・茗荷谷へ - 法曹を目指す北海道生は中央法を第一志望にするケースも多い
- 理系の強化も進んでいる
- 真面目な学生が多い
法政大学(法政)
- 総合大学で学部も豊富
- 市ヶ谷・多摩の両キャンパスで雰囲気が異なる
- 明治・立教ほど派手さはないが、地力がある大学
東京進学のメリット
①視野が広がる
東京は、北海道とは桁違いの人口・企業・文化が集まる都市です。
東京私大の最大のメリットは、やはり都市のスケールです。
- 首都
- 企業数が圧倒的
- 研究機関が集中
- 外資系・メガベンチャーに強い
- 文化・芸術・政治・ビジネスが融合
この規模感は、北海道とはまったく異なります。
「東京に出て挑戦してみたい」という気持ちが、進学の大きな理由になります。
②就職の選択肢が広がる
東京は就職活動の中心地であり、学生の情報量が桁違いです。
- インターンが多い
- OB・OGが多い
- 説明会が豊富
- 企業との距離が近い
- 就職実績が驚くほど強い
③北海道出身は案外お得
東京では北海道の自然に憧れている方も多いので、道民は
- 落ち着いている
- 優しい
- 真面目
- 言葉遣いが柔らかい
と好印象を持たれることが多いです。友人関係・就活でもプラスに働きます。
デメリット
①生活費(家賃)が高い(最大の壁)
東京の家賃は軒並み高いです。
- ワンルーム 7〜10万円
- 交通費も高い
- バイトの時給は高いが出費のほうが多い
②北海道から距離的に遠い
北海道から東京は遠く、飛行機に乗る必要がありますが、札幌からの飛行機は便数が世界トップクラスの便数の路線ですので、遠距離ですが実は非常に利便性があります。
- 新千歳–羽田は毎日多数
- LCCで成田便も豊富
③受験会場が札幌にない大学は費用が膨大になる
- 早稲田、慶應、上智、青学、立教
は札幌に試験会場がありません。共通テスト利用方式を使わない場合、東京まで受験しに行く必要があります。これは北海道の受験生にとって大きな負担です。
まとめ
札幌南・北嶺・立命館慶祥のようなトップ校では、
毎年多くの生徒が早慶・上理・MARCHに進学します。
これはつまり、「東京進学が特別ではなく、ごく自然な選択肢になっています。」
東京には、
- 圧倒的な都市のスケール
- 北海道では得られない競争環境
- 多様な価値観
が集まっており、若者が成長するには最適な環境の一つであり、
将来の可能性を飛躍的に広げると考えられます。
しかしながら、逆に、東京進学によって失敗することもありますので、
慎重に考えて判断する必要があります。
